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​ドッペルは眠る


一族の滅亡を巡る、吸血鬼と魔物狩りの物語。

Story

あらすじ

人の生きる国、ベルキガ北西部にかつて存在した魔物狩りの民族、ヤクレェゾ族。古くから伝わる教えを重んじ、幻影を見せる森の中に閉じこもるように暮らしていたその一族は、魔物の襲撃に遭い、一人残らず惨殺された。 …生まれて間もない頃から集落を離れて育った、一人の少年を除いて。 生き残った少年、もとい、青年となったギルは一人の魔物狩りとして狩りに勤しんでいた。ある日、郊外で吸血鬼の襲撃があったことが報告され、ギルはいつものように討伐に向かう。 森の中で出会ったのは、折り重なった人間の遺体の中に佇む、記憶を失った吸血鬼の少女、エリン。「自分は人間だった」と話す彼女の肌には自分と同じヤクレェゾ族の徴がはっきりと浮かび上がっていた。 なぜ自分だけが生き残ったのか? ヤクレェゾ族は本当に滅んだのか? 両親は生きているのか? とうに受け入れたはずの『ヤクレェゾ族は滅んだ』という事実が瓦解し、押し殺した想いが燻り出す。 葛藤の末にエリンの手を取ったギルは、ヤクレェゾ族滅亡の真実と向き合うことになる…。

Character

​登場人物

 

行こう。お前が最後の手がかりなんだ。
…お前しかいないんだよ。

 

ギル

魔物狩りの青年。
ヤクレェゾ族の滅びを受け入れきれず、会ったこともない両親の影に
囚われている。

​使用曲:『蜘蛛糸モノポリー/sasakure.uk』

Glossary

​用語

​《護り人》

約600年前に現れた、人間にそっくりな種族。

​人間は魔法を使うのに魔具という特殊な道具を必要とするのに対し、彼らは魔具を必要とせず、身一つで魔法を使うことができる。

​自らを「(魔物から人を)護る者」と名乗り、そこから《護り人》という呼び名で呼ばれるようになった。

​ヤクレェゾ族

ベルキガ北西部に住む《護り人》の一族。
人里から離れた森林地にひっそりと集落をつくり、魔物の狩猟と農耕で生計を立てていた。外部の人間との交流をほとんど行わず、「《護り人》としての使命=魔物の討伐」を全うすることを是とした。
10数年前に魔物の襲撃に遭い、一族は皆滅びたとされているが、詳しい時期や当時の詳細については謎に包まれている。

​幻惑の森

ヤクレェゾ族の集落を取り囲む森林。
名前の通り、足を踏み入れた者に幻を見せることで有名な森で、一度入れば出ることは困難だとされていた。ヤクレェゾ族は森の歩き方を熟知していて、迷うことはなかったとか。
巨大な蛇の魔物が森を根城にしていて、その魔物が幻を見せているとされていたが、現在は幻を見ることは無くなり、一般人でも難なく散策することができる。

ヤクレェゾが滅んだとされる時期と、幻が消えた時期はほぼ合致している。

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